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【雑談】初めての釣り場~ルアーと私と糸と~

~前回までのあらすじ~
諸々の道具を揃えて,いざ防府市内の漁港に来たはいいものの……

お世話になります,弁護士の小見山です。
前回の投稿からの続きです。

いざ防府市内のとある漁港に到着しました。
風もない快晴で,春の暖かな空気に包まれ,
ほのかに潮風の香りを感じる絶好の釣り日和です。

小職は意気揚々と釣り竿を取り出し,リールを取り付けました。
後はルアーを取り付けて思いのままにぶん投げるだけです。
しかしながら,ここで一つの問題に直面します。
当然ですが,ルアーを糸で結ばなければ釣りをすることができません。
ところが,小職ったら道具を揃えるのに必死で,
釣りに関する知識を収集することなく,
とりあえず,晴れた!釣りだ!と現場に臨場してしまったのです。
「まぁ固結びすれば何とかなるでしょ」と考えて
ルアーを糸で結び付けました。固結びです。
この時はまだ「大きいのが釣れるかもな…フフフ」なんて考えていました。
ルアーを糸で結び,確認のためにルアーを持って,
糸が取れないか確認したところ,
何だか結び目が怪しい雰囲気を醸し出しています。
控えめに言って今にも取れそうです。
周りに人がいなかったので,
軽く竿を振ってルアーを陸上で投げてみることに。
「ブンッ」
イメージしたとおりに竿が振れたと自負しています。
ルアーを回収するためにリールを巻き巻き……。
糸は無事回収できたのですが,
いつまで経ってもルアーが帰ってきません。
待てど暮らせど帰ってきません。
「おや。まさか……?」
糸の端っこが手元まで帰ってきましたが,ルアーさんがいません。
そうです,竿を振り,解き放たれたルアーはそのまま糸から飛び出し,
陸上のどこかに飛び出していったのです。
無事に回収しましたが,海に投げなくて本当に良かったと思いました。
何度か固結びで試してみたものの,
やはり結び目が怪しい雰囲気を醸し出してくるので,
おとなしくGoogle先生に教えを請うことにしました。
どうやら糸とルアーを結ぶには,専用の結び方があるようです。
気が付くと,漁港に釣り人がちらほら現れてしまい,
初心者のくせに初心者に見られたくないという謎の羞恥心を発揮し,
今日は帰って家で結び方の練習をしてからリベンジしようと決断しました。
こうして小職の釣り場デビューは桜と共に華々しく散ったのでした。

ちなみに,司法試験合格後,司法修習生は,実務家になるため,
修習の最後にいわゆる「二回試験」という論述試験を受験します。
かつての二回試験では,
試験終了前までに自らの答案用紙を黒ひもで結んで提出するというルールでした。
答案用紙がいかに素晴らしい内容であっても,
黒ひもを結んでいない答案用紙は採点してもらえないのです。
すなわち,その科目は0点となりますから,
当然二回試験も不合格となります。
それは理不尽だということで現在ではひもを結ぶ時間が設けられているようです。
どうしてこんな話をしているかといえば,
恥ずかしながら,小職は二回試験でひもの結びが甘く,
危うく不合格になりかけたという黒歴史があるのです。
初めての釣り場からの帰り道,
思い出したくもないそんな黒歴史を思い出しながら,
自分はひもやら糸やら結ぶのが苦手なんだろうかと独りごちて帰路に着きました。

なお,後日談ですが,
糸の結び方もマスターし,
何度か釣り場に足を運ぶも釣れない苦しい日々が続きましたが,
先日のGW!ついに!待望の!念願の!
メバルを釣り上げることができました。

令和3年6月1日  
                弁護士 小見山 岳