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【雑談】裁判のIT化

お世話になります,弁護士の小見山です。

昨今,コロナ禍の影響もあってリモートワークが浸透し,
ZoomやTeamsといったアプリを活用されている方も
増えてきたのではないでしょうか。
この流れに乗ってなのか,裁判所も近年「裁判のIT化」を進めているようです。

ところで,一般の方にあまり馴染みのない裁判所ですが,
準備書面の提出はどのようにしているかご存知ですか?
以前は直接提出するか郵送のみだったようですが,
現在ではFaxでの提出も認められています。
イマドキFax??と驚かれる方もいらっしゃると思いますが,
Faxが未だ現役バリバリなのです。

裁判のIT化がより進むと,
Teamsを利用した書面提出なども認められるようになるとか。
利便性の向上という意味では良いでしょうが,
裁判記録は個人情報の中でも特に慎重に取り扱うべき情報ですから,
情報流出の危険という観点から,
なかなかハードルが高いようにも思われます。

さて,そんな裁判のIT化が着々と進められている中で,
その前に刷新すべきものがあるんじゃないかと思う出来事がありました。

交通事故などでは証拠として動画を提出することも多いのですが,
iPhoneで撮影した動画の拡張子は,「.mov」というものになります。
Windows8以降のWindowsメディアプレーヤー12では,
この拡張子にも対応しており,難なく再生することができます。
ところが!!
山口では簡裁地裁を問わず,
裁判所のパソコンはそれよりも古いOSである上に
スタンドアローンPCのため更新もできないことから,
上記拡張子は再生できないというのです(山口だけ?)。
書証の取調べをするためには,
当然裁判官に動画を観てもらう必要があります。
そのため,iPhoneで撮影してもらった動画を
動画変換ソフトを利用してMP4などの再生可能な拡張子に変換して提出しなければなりません。

裁判のIT化も結構ですが,
その前にまずiPhoneで撮影した動画くらい再生できるような環境にしてよ……
と思わず言いたくなる出来事でした。
予算の関係上PCを刷新するのは難しいのでしょうが,
何とも言えないモヤモヤした気持ちのまませっせと動画を変換するのでした。

令和3年2月1日

                弁護士 小見山 岳