お世話になっております,弁護士の小見山です。

年明けから何だかドタバタとさせていただいており,
嬉しい限りではあるのですが,
近年は身体の衰えを感じることも多く,
これが嬉しい悲鳴というやつなのかなと思っております。
身体の衰えを少しでも緩和させるため,
最近ジョギングを始めましたが,
衰えを自覚せずオーバーワークで
膝が崩壊しました,どうも小見山です。

さて,今回のテーマは立証責任と要件事実と
何だか物々しい感じになっておりますが,
これまで実務に従事してきて,
一般の方と実務家の大きな違いというか,
事件に対する印象というか捉え方に隔たりのようなものを感じることがあり,
それはどこにあるのかなぁと考えたことがありました。
まだ答えは分からないのですが,
先日,久しぶりに大学時代の友人と話していた際,
法曹には独特の言語があるよねという話になりました。
そのうちの一つが「要件事実」です。
聞き慣れない言葉だと思いますが,
民事裁判においては背骨くらいとっても大事なお作法です。
ただこの要件事実,法学部を卒業して,
法科大学院や司法修習でお勉強するようなものだったりするので,
なかなか難しかったりします。

なので,一つずつゆっくりお話してみますが,
もしかたら眠たくなるやもしれません。
寝付きが悪いという方,
もしくは多少興味を持っていただいた方,
どうぞお付き合いくださいませ(今回長いっす。)。

さて,いきなりですが,
皆さんは,法律の条文って読まれたことはありますか?
色々な法律がありますが,
条文の構造って実は結構単純なんです。
全ての法律に当てはまるわけではありませんが,
少なくとも誰かの権利や請求権を定めている条文というのは,
「法律要件」の部分と「法律効果」の部分に分かれています。
お,早速出てきましたね「要件」という言葉。
この「法律要件」というのは,言い換えると発動条件みたいなものです。
遊戯王カードとかやったことある方なんかは理解しやすいかもしれません。
で,その発動条件を満たした場合に生じる効果がそのまんま「法律効果」です。
具体例で見た方が分かりやすいと思うので,
よく使う民法の不法行為を例に見てましょう。

【民法第709条】
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

交通事故やら離婚の慰謝料請求なんかも,
大元の条文はこれです。
交通事故以外にも人殴って怪我させた場合の賠償請求もこれを使います。
でも,人を殴った理由が誰かを守るためという場合だってありますよね。
そんな時には聞いたことあるかもしれませんが,
正当防衛というのが主張できるかもしれません。
条文的には以下のとおり。

【民法720条本文】
他人の不法行為に対し,自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため,やむを得ず加害行為をした者は,損害賠償の責任を負わない。

さて,これらの条文も法律要件の部分と法律効果の部分に分けられます。
どこで区切るか分かりますか?
句読点があるから,そこじゃね?と考えた方もいるかもしれません。
句読点も条文では大事だったりしますが,
上記の条文のうち,709条を区別するとすれば,

    (損害を)賠償する責任を負う。

という部分で,教科書的にいえば「賠償責任の発生」が
上記の法律効果ということになるわけです。
いつぞやの投稿で債権と債務は立場の違いで表裏一体という話をしたと思いますが,
請求する側からみると,「損害賠償請求権の発生」になります。

また,720条でいうと,

    損害賠償の責任を負わない。

という部分,「賠償責任の不発生」というのが法律効果です。

法律効果の方は比較的分かりやすいかもしれませんが,
この法律効果の発生が認められるか認められないかということを
争うのが民事裁判なわけです。

では,上記の709条を例にすると,どの部分が「法律要件」になるでしょう。
結論を言っちゃうと法律効果以外の部分です。
ただ長いですよね。
なので区切ります。
この区切り方によって,
発動条件がいくつになるのかが変わってきます。
問題はどうやって区切るかということです。
先ほどみた「賠償責任の発生」という効果の発動条件は何なんでしょうか。
実はこの区切り方が要するに条文解釈なんです。
学者さんたちは,この条文はこうやって区切って読むべきだとか,
そういうことを考えるわけです。
必然的に法学部の学生が学ぶのも,
この発動条件が何なのかという部分が大半なわけです。
警察学校における民法の授業で質問してみると,
結構色々なパターンの区切り方が見られます。
なかには区切らないという猛者もいました。
これは学生に限った話ではなく,
学者さんたちも同じで教科書によっては,
若干区切り方が違ったりもします。
なので,これから紹介するのは,一例だと思っていてください。

さて,どう区切るかということですが,
例えば,こんな区切り方が考えられます。

 A 故意又は過失によって
 B 他人の権利又は法律上の利益を侵害した者は,
 C これによって生じた
 D 損害
  (を賠償する責任を負う。)←法律効果

昔国語の授業で文節で区切るみたいなのがあったような気がしますが,
それと比べると気持ち悪い区切り方ですよね。
上記の区切り方だと,4つに分けられるので,
法律要件は4つあるということになりそうです。

ところが思い出してみてほしいのです。
正当防衛が成立したら賠償責任発生しませんよね。
ってことは,賠償責任が発生するためには,
「正当防衛が成立しないこと」というのも
条件に含まれるはずです。
講学上,正当防衛や緊急避難などのことを
「違法性阻却事由」と呼びますが,
要するに,正当防衛は不法行為の違法性をなくしちゃうってことです。
ん?違法性?不法行為は違法性が必要ってこと?
と考えて整理してみると,

   1 故意又は過失(A)
   2 侵害行為(B)
   3 損害の発生(D)
   4 1と3との因果関係(C)
   5 2の違法性

とこんな感じになります。教科書やら入門書には,
上記のように整理したものが書いてありますが,
根底にあるのはさっきみた条文たちです。
法学部ご出身の方は共感いただけると思いますが,
教授たちってやたら条文が大事だって言ってませんでしたか。
その理由はこうゆうところから来てるんだと思います。

じゃあ区切ることはできたわけですが,
「故意」ってなんだ?「過失」ってどういう意味?
と書いてある中身がなんなのかが問題になってきます。
分かりやすくいえば,
故意はわざと,過失は不注意という意味ですが,
より正確な意味について,
学者さんたちがあぁでもないこうでもないと研究したり議論したり,
過去の最高裁で「故意とは,こういうものよ」と判示されたりして,
その意味内容というのが決まってきます。
これを勉強するのが法学部なわけです。
大抵の人たちがイメージされる法律の勉強も
おそらくこの辺りなのかなと思います。
確かに間違いではありませんし,
大前提みたいなものですが,
実際に法律を使うためには,それだけでは足りないのです。
というのも,今のところ出てきてるのって条文だけで,
実際に使うのは現実世界なわけですから,
現実世界にあてはめないといけないんです。
要するに,具体的な事例,
「この件で」故意はあるのか,ないのかを判断しないと結論が出ないんです。

例えば,法学部の期末テストの問題なんかだと,
「Aは,令和●年●月●日,どこどこにおいて,Bとの間で……」みたいな感じに,
具体的な事実関係がずらーっと書いてあって,
問題文の最後の方に「以上の事実関係を前提に,XのYに対する請求は認められますか?」と
問うてくるわけです。

上記の質問に真っ正面から答えようと思ったら,
認められるか認められないかの2択なわけですが,
試験だと大事なのは理由の方です。現実だと結論が大事ですけどね。
この理由をつらつらと書くためには,
さっきの法律要件の部分がまず大前提になってきます。
で,問題文の中に色々と事実が書いてあるので,
法律要件,つまり発動条件を満たすかどうかをひとつひとつ検証していくわけですね。
例えば,交通事故を前提すると
「本件は,不法行為に基づく損害賠償請求権が認められるかが問題となる。
 かかる請求権が認められるためには,(ア)故意又は過失,(イ)侵害行為
 (ウ)損害の発生及び数額,(エ)アとウの因果関係があることを要するところ,
 Xは前方不注視をしているのであるから,(ア)の過失があるといえる。次いで……」
みたいな感じです。

ところが,試験の場合は,「Xが前方を見ていなかった」とはっきり書いてくれているので,
じゃあ不注意やんってすぐ分かるんですが,
現実では,そもそも「Xが前方を見ていたかどうか」という事実自体の存否が問題になってきます。
これを「事実認定」といいます。
じゃあどうやって事実を認定するのか,というと,
「証拠」によってその事実があることを認定していくんですね。
この認定する過程のことを「証明」といいます。

では,その証明は誰がしなきゃいけないの?ということですが,
これはざっくばらんに言えば,
当該事実を証明することによって得する人です。
例えば,709条の法律効果はなんでしたっけ?
そう,「賠償責任の発生」でしたよね。
これで得するのは,賠償請求をしている側の方です。
だって認められたらお金もらえますから。

あれ,でも待ってください。
正当防衛の720条の法律効果は「損害賠償責任の不発生」でしたよね?
どうなるん?と思ったそこのあなたは抜群のセンスをお持ちです。
そうなんです。正当防衛については,正当防衛を主張する側,
つまり賠償請求されている方が得することになるんですね。
なので,正当防衛については,
請求されている方が証明しなきゃいけません。

これで話が終わったら楽ですが,現実は甘くないようで。
証拠によって頑張って証明していくんですが,
結局,その事実があるのかないのかよく分からんという状況に陥る場合があります。
これを「真偽不明」といいますが,
その場合に当該事実を「存在する」と取り扱うのか,
「存在しない」と取り扱うのかによって大きく異なります。

先ほどの事例でいうと,
「Xが前を見てたか見てなかったかはよく分からん」という状況で,
「Xが前を見てなかった」と取り扱うのか,
「Xは前を見てた」と取り扱うのかということです。
前者であれば,過失がありそうですけど,
後者であれば,過失はなさそうですよね。
この場合,どうするかというと,
当該事実を証明することによって得する人にとって,
不利益に扱うということにしています。
例えば,上記の例でいえば,
「Xが前を見てなかった(Xの前方不注視)」という事実を証明することによって,
得するのは請求する方なので,請求する方にとって不利益に扱います。
つまり,「Xは前を見てた」と扱われるということになるわけです。
この真偽不明の場合に被る負担や不利益のことを「証明責任」とか「立証責任」と呼んでいます。
やっとタイトルの一部回収……。

なんか不思議な考え方に思えますが,
よくよく考えてみたら当たり前なんです。
というのも,ある日突然知らない人から,
訴訟を起こされて,証明も不十分なのに,
「うん,その事実認めまーす。」ってなったら,
もう訴訟起こしたもん勝ちみたいな世界線になっちゃいます。
証明できたら得をするわけですから,
証明できなかったら損するのは当たり前っちゃ当たり前です。

この「証明責任」という考え方を採用することによって,
「この事実の証明責任はどっち?」という発想が出てくるわけです。
つまり法律要件に該当する具体的事実を証明責任という物差しで分類することができちゃうんですね。
そうすると,あら不思議。
平面的だった法律要件が2つに分類できるので,
何だか立体的になってきます。
さきほど見た不法行為に基づく損害賠償請求の法律要件も

  【請求者が証明】    【被請求者が証明】
  1 故意又は過失
  2 侵害行為
  3 損害の発生
  4 1と3の因果関係
              5 違法性阻却事由

こんな感じに法律要件を証明責任の所在によって分類できちゃいます。
そうすると,法律要件としては5つあったはずですが,
証明責任で分配してみると,
請求する方が結局証明しなきゃいけないのは4つしかないということになります。
このように請求する側がとりあえず証明しなきゃいけない法律要件に該当する具体的事実のことを
「請求原因」と呼んだりします。
訴状の目次立てには,「請求の趣旨」と「請求の原因」という項目が必ずあるので,
もし訴状を見る機会があれば確認してみてください。

さて,請求原因に対して,被請求者側は,態度を決める必要があります。
民事訴訟で定められた態度は,「認める」,「知らない(不知)」,「違う(否認)」の3つです。
これを請求原因事実ごとに明らかにしていきます。
例えば,請求原因として「Yに殴られた(侵害行為)」と主張している場合,
「いや殴ってませんけど?」というのは,
請求原因と相反する事実なので,「否認」という態度になります。
なので,請求者は,殴られたということを診断書とか色々な証拠によって証明しなきゃいけません。
逆に「確かに殴った」と認めるということは,事実関係に争いがないってことですから,
証明する必要がないですよね?
なので,認めるという場合はその事実はあったということになります。
なので請求原因事実を認めることを「自白」といったりします。
なお,「知らない」という態度だと事実関係に争いがあるのかないのかはっきりせず,
自白は成立しませんから,否認と同じく証明を要することになります。

さて,否認もむなしくとりあえず請求原因の4つの事実が証明されちゃったとしましょう。
このままでは請求が認められちゃいます。
で,例えばですが,
「確かに相手方をわざと殴りましたよ?でも私は自分の身を守るためにやったんです。」
ってな具合に反論するわけです。
この反論のことを「抗弁」といったりします。
例えば,正当防衛を抗弁として主張して,
これが認められた場合,
法律効果は「損害賠償責任の不発生」でしたよね。
つまり請求原因によって発動するはずの効果を阻止しちゃうわけです。

このように,抗弁は「確かに殴りましたよ?」と請求原因が認められることが大前提です。
「いや殴ってませんけど?」という反論は,
請求原因事実と相反する事実なので「否認」でしたよね。
なので,抗弁とは,「請求原因事実と両立する具体的事実で,かつ請求原因による法律効果を妨害する事実の主張のことをいう。」
なんて定義されたりします。
で,更に抗弁と両立する抗弁の法律効果を妨害する事実の主張のことを「再抗弁」,
再抗弁と両立する再抗弁の法律効果を妨害する事実の主張のことを「再々抗弁」といいます。
再抗弁は請求する側,再々抗弁は請求される側がそれぞれ証明責任を負うことになるのですが,
まぁ頭混乱しますよね。私もです。

請求原因も抗弁も再抗弁も再々抗弁も,
先ほどみた条文から導かれる法律要件と法律効果という構造をしているのは同じです。
なので,請求原因に該当する具体的事実や
抗弁に該当具体的事実のことを総じて「要件事実」なんて呼びます。
(やっとタイトル回収……長い。)

ただ現実の世界の事実関係というのは,
多岐にわたりますし,何といっても複雑です。
何の指標もなく話を伺っていても,もう何が大事な事実なのか訳が分かりません。
そこで,その複雑な事実関係を
要件事実という観点から見ていくと,
誰がどの場面で証明しなきゃいけないのかということが
見えてくる,つまり何が重要な事実で,
何があんまり関係ない事実かが見えてくるわけですね。
なので,事案ごとに要件事実がよく理解できていないと,
相談時間が長くなりがちだったりします。
ここまで偉そうにつらつらと要件事実について説明してますが,
恥ずかしながら,未だにボスによく怒られ……ご指導いただくことも多いです。

冗談はさておき,
要件事実なんていう言葉を聞いたことすらないという方が多いのではないかと思いますので,
当然ながら依頼者の方も要件事実という観点を持っていらっしゃる方は少ないわけです。
なので,相談者さんや依頼者さんにとってはすごく重要な事実だとしても,
必ずしも要件事実的には大事ではないということもあったりするんですね。
そういった意味で,
依頼者の方からすると,
なんで大事なことなのに主張してくれないんや!
なんて不満も抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。
頑張って説明はしてみるんですが,
なかなか伝わらないことが多ったりします。
と思って,今回要件事実というテーマを選んでみたんですが,
無駄口が多いからでしょうけど
文章にするととんでもない長さになりましたね。
次はもっとライトなテーマでお話できたらなと思います。笑

とにかく,要件事実は我々弁護士にとっては,
複雑な事実関係を紐解くための現実の見方であり,
また心強い味方でもあるってことです(サブタイトル回収!)。

最後までお読みいただき,
ありがとうございました!ではでは。

(※ 要件事実については,一部説明のために正確性を度外視して簡素化している部分もあるので,
  あくまでイメージするための参考にとどめていただければ幸甚です。)

      令和6年4月吉日
           弁護士 小見山 岳

明けましておめでとうございます,弁護士の小見山です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

例年に引き続き,秋穂の美濃ケ浜で年越しキャンプをしてまいりました。
大晦日は若干の雨風にさらされた時間もありましたが,
年が明けてからは天候にも恵まれ,
無事,初日の出を拝むことができました。
年越しキャンプも今年で4回目となりましたが,
相変わらず日の出は美しく,
設営や片付けは大変ですが,
来て良かったなと思わせてくれます。

ところが,キャンプから帰ってきた後,
能登半島地震や羽田空港での火災など
痛ましい報道に触れ,
コロナの収束に安堵したと思ったら,
今年は天災と人災かと何だか気持ちが落ち込んでしまいました。
被災地では現在も余震が続いている状況のようですが,
一日も早い復興を祈るばかりです。

昨年は年男ということで,
気持ちは亀のようにコツコツと辛抱強く,
仕事はうさぎのようにテキパキと迅速に,
といった目標を掲げたと記憶していますが,
気持ちはうさぎのように落ち着きがなく,
仕事は亀のようにのんびりとしていた
と言わざるを得ない部分が多かったように反省しています。

気が付けば,今年で弁護士9年目を迎えることとなり,
弁護士としては,もはや若手とは言い難く,
中堅と言われる年数が経過していました。
本当にあっという間で,
まだまだ未熟だと痛感する日々ですが,
少しずつでも登録年数に見合う弁護士に,
そして社会人としても自覚ある人間となれるよう
精進していこうと思います。

2024年,頑張るぞーーーーー!!

被災地の一日も早い復興を願って。

令和6年1月吉日

        弁護士 小見山 岳

平素は格別のお引き立てを賜り,厚く御礼申し上げます。

さて,誠に勝手ながら,当事務所は

令和5年12月29日(金)から令和6年1月4日(木)まで

年末年始のお休みとさせていただきます。
   
恐れ入りますが,当事務所に御用の方は令和6年1月5日(金)以降にご連絡ください。
 
ご迷惑をおかけしますが,よろしくお願いいたします。
  

こんにちは。
税理士の越智満です。

今年も年末調整の時期になりました。
この時期になると気になる方が増えますし,
無料相談等でも結構な数聞かれるのが,

「いくらまでなら扶養でいいんですか?」

というお話。
物価上昇もありますし,できる限り少ない負担に抑えたいという気持ちはよくわかります。
また,ニュースでもちょいちょい扶養については取り上げられてますよね。

しかし,扶養とは?

辞書によると,
扶養とは
生活できるように世話をすること。
だそうです。

また,
民法第877条には,
相互扶養義務という規定があり,
直系血族及び兄弟姉妹は,
互いに扶養をする義務がある。
と,なっています。
親と子はもちろん,
じいちゃんばあちゃんと孫という関係でも,
家族はみんなで助け合いましょうねといった感じでしょうか。

さて,所得税と住民税の関係では,
配偶者や子供などがいる場合,
1人で暮らすより大変でしょ?
ということで,
養っている人(扶養者)の税負担が少なくなる
「扶養控除」
「配偶者控除」
「配偶者特別控除」
といった所得控除がありますが,
配偶者や子供などの収入が一定金額以上になると,各種控除が適用できなくなります。
この一定金額がいわゆる「○○万円の壁」とか言われたりしているのですが,
壁は配偶者かその他の親族かで異なります。

年間給与収入で見ると
今はざっくりこんな感じで,
それぞれの壁を越えることで影響が出てきます。

この給与収入については,
所得税と住民税は1月1日から12月31日に受領した年間収入で扶養に入れるか否かが判定されますが,
社会保険は勤務予定期間を考慮したうえで,
年間収入の基準金額を12カ月で割った月額で判定されます。

例えば,
同居の子供が8月に就職した場合で子供の年間給与収入が80万円だったとき,
所得税と住民税は1月から12月は扶養
社会保険は1月から7月は扶養,8月から12月は扶養
と,なりますし,
同居の子供が7月に離職した場合で子供の年間給与収入が130万円だったとき,
所得税と住民税は1月から12月は扶養
社会保険は1月から7月は扶養,8月から12月は扶養
と,なります。

配偶者なら,
年間給与収入が103万円を超えても150万円までなら
配偶者控除と同額の配偶者特別控除が適用できるため,
扶養者の税額に影響はないですが,
その他の扶養親族の場合は,
年間給与収入が103万円を超えると
扶養者の税額に影響が出てしまいます。
特に大学生の年代は扶養控除の額が大きくなっているので,
扶養控除があるかないかで税負担が9万円以上変わってしまいます。
世帯で考えると
大学生の子どもの年間給与収入が中途半端に103万円を超えるようなら,
お小遣を渡した方が使えるお金が多いかもしれないです。

  

私が大学生のときは,
なんとなく年間103万円というのを気にしてアルバイトをしていたのですが,
年間101万円程度お給料をいただいた翌年に住民税の納付書が届き,
「扶養から外れたのか?」と少し焦った記憶があります。
ギリギリセーフでした。

  

※ 令和5年12月時点の取扱いとしてご覧ください。

お世話になっております,小見山です。

最近本当に寒くなってきて,鍋が美味しい季節が来たなと思う反面,
朝のシャワーがキツくなってきたなと思う今日この頃。

先日の日曜,とある方のご紹介で,
コミュニケーションに関するセミナーに参加してきました。

セミナーの冒頭,講師の方は,
「コミュニケーションとは,相対である。」
と定義された上で,
その意味をご説明いただきながら,
実体験を交えたお話を拝聴してきました。
私が理解した限りでは,
対人関係を意識下におけるプラスとマイナスで位置付け,
更に各人の無意識下においても,
感情等をプラスとマイナスで分類するということを基本にして,
意識の視点として,間主観的ではなく,
真に客観的視点を獲得するための手法といったものでした。

抽象的に言うと何だか意味が分かりませんが,
例えば,嫌いな人(意識下のマイナス)との関係を考えた場合,
なぜその人が嫌いなのかという点を見てみると,
例えば,すぐ怒るから話していて不愉快だという感情を意識下に持っていた場合,
例えば,自分も同じように怒ってしまうという短所であったり,
過去親や親しい人から叱責された経験だったり,
あるいは仕事ができる人に対する嫉妬であったり,
何らかの無意識下の感情などが意識下の「嫌い」という感情に繋がっている
という考え方なのかなと理解しました。

確かに自分の短所ってなかなか向き合いづらいですし,
ついつい無視したり抑圧したりしがちですし,
その無意識下に追いやったものが今の自分の人間関係を形成しているというのは,
体感として何となく理解できる気がします。
情けは人のためならず,というやつにも近いかもしれません。

また,我々弁護士は,日々対人関係のもつれた果ての紛争状態に遭遇することが多く,
その紛争解決の手段として裁判という第三者の視点からどのように判断されるのか,
というある種客観的な視点というものを意識せざるを得ません。
そういった環境もあってか,
講師の方が仰っていることが何となく体験として理解することもできました。

例えば,交通事故なんかでは,
よく過失割合で真逆の主張をしてもめることもあれば,
明らかに過失が大きいにもかかわらず,
やたらと一方当事者に対して攻撃的態度を取る方がいらっしゃいます。
多分,何にも考えず,その事象のみをみると,
「どう考えても自分が悪いのに何でこの人は色々言ってくるんだろう,性格が悪いなぁ」とか,
「話の通じてない人なんだなぁ」なんて感情を抱くと思います。
ですが,よくよく考えてみると,
例えば,その方がご結婚されていて,
ご主人,あるいは奥様には頭が上がらないなんて関係性があって,
強く態度に出ておかないと,あるいは自分が悪いとなれば,
家庭内で叱責されてしまうなんて事情があるかもしれません。
きっとそういう方は内心では「やってしまった」という思いを抱えつつ,
攻撃的態度に出ざるを得なかったのかもしれません。
あるいは,単に運転技術に自信があって,
事故自体をきちんと受け入れることができず,
相手を攻撃することでバランスを取ろうとしているのかもしれません。

正直,そんな事情は過失割合には関係ありません。
ただ,事件を解決する上で,特に交渉や和解で解決していく上では,
その攻撃的態度を取っている方と対話をしていかなければならず,
必然的にこの人は何を考えているんだろう
ということを想像しなければならなかったりします。

紛争の相手方という意識下における最もマイナスらしい関係性ですが,
その相手方の無意識下に目を向けるというのは,
確かに相手方を理解する上では必要不可欠ですし,
依頼者であっても,
いまいち本当のことを話してくれていないなと思う時には,
その方の無意識下に目を向けるとともに,
自分の話し方だったり態度だったりを少し変えてみたりと
色々と工夫をしてみたりします。
といっても,正直弁護士なりたての頃はそんなこと考える余裕はありませんでしたし,
今でもできないことの方が多いかもしれません。

講演の内容を完全に理解したわけではありませんが,
普段自分が接している環境や,
日常の会話に至るまで,
無意識下にあったものを可視化,言語化するって大事だなと
改めて思わせていただいた気がします。
たまには,セミナーに参加してみるのもいいかもしれないなと思った出来事でした。

本当に寒くなってきたので,
皆様風邪など引かれませぬようご自愛くださいませ。

 令和5年11月吉日

       最近気管支炎になった小見山

お世話になっております,小見山です。

最近急に寒くなり,ヒートテックを出そうと思ったら,
夏の断捨離で捨ててしまい,
寒さに耐える冬にしようと思っている今日この頃。

ところで,ボスにお借りしたゴルフセットで
あまり練習もせず何となくやっていたゴルフですが,
最近,と言っても今年の春ですが,
クラブセットを購入しました(ミズノのBRXというシリーズだったはず)。
前々から自分で買わないと練習しないと指導を受けていたものの,
おそらく自分で買うより良いクラブをお借りしていたこともあり,
なかなか買う気にならなかったのですが,
言われたとおりとりあえず購入してみたのです。
すると,あら不思議。
せっかく買ったクラブですし,使いたいからでしょうが,
練習に行くようになりましたね。
先輩の言うことは素直に聞いておくものだと痛感せざるを得なかった出来事でした。

さて,ゴルフといえば,
まだゴルフのゴの字も知らない弁護士1年目か2年目に
打ち込み事故の事案を担当させていただいたことがありました。
今思えば,あの距離を打ち込めるってどんだけ飛んでるんだと思いますが,
当時は普通そのくらい飛ぶものだと思って,
右も左も分からず,担当していたように思います。
打ち込み事故という言葉も知りませんでしたが,
ゴルフを始めるに当たって,
まず最初にしたことがクラブの購入ではなく保険加入だったのは,
この事案を担当させていただいたからに外ありません。

打ち込み事故で怪我をされた場合,
それが知り合いだろうが全く知らない人であろうが,
当然治療費や慰謝料などを請求できることになります。
何にも関係がなかったのに,
突然,ポンっと請求権が発生するわけです。
皆様ご存じ損害賠償請求権ってやつですが,
その発生原因は,不法行為といって民法で定められているんですね。

法学部出身の方なら聞いたことあるかもしれませんが,
民法って眠法と揶揄されるくらい,
なかなかどうして授業が眠くなるものなのですが,
民法のうち,財産法(相続とか離婚の分野を家族法といって,講学上区別します。)の分野は,
つまるところ,誰に何を求めることができて,誰にどんな義務を負うのか,
という観点から世界を見ていく学問分野と言ってよいかと思います。

この誰かに何かを求めることができるぞという権利を請求権,
民法では「債権」と呼び,
誰かに何かをしなきゃいけないんだぜという義務を「債務」と呼びます。

鋭い方はお気づきのとおり,
誰かに何かを求めるというのは,その誰かさんにとっては何かをしなきゃいけないということなので,
この債権と債務は表裏一体で,立場の違いから呼び方が違うだけだったりします。
例えば,コンビニで買い物をした場合,
売買契約の成立によって,
買主は,購入した商品をよこせという売買の目的物引渡請求権を取得し,
売主は,金払えという売買の代金請求権を取得することになります。
上記はいずれも請求権という視点から書いていますが,
言い換えると,買主は,金を払わないといけないという代金支払債務を,
売主は,商品を渡さないといけないという目的物引渡債務をそれぞれ負担する
ということになるわけです。

何だか小難しい話ですが,これが眠法なんですね。
ただ,民法上,今言った債権や債務を発生させる原因は,
実は4種類しかありません。しかも現実的にはほぼ2種類しか使いません。
というのも,先ほどの例にも出てきた日々のお買い物やら,
それこそゴルフ保険なんかも,
誰かに何かと約束して,その約束どおりに事を進めるという点では同じで,
これを「契約」といいます。
債権の発生原因ランキング圧倒的第1位です。
お買い物なら売買契約であることが殆どでしょうし,
ゴルフ保険も保険契約の一種です。
世の中の殆どの債権債務は契約から発生するといっても過言ではありません。
契約は当事者間の合意によるものであり,
原則として,いつどこで誰とどんな契約しようが自由なので(契約自由の原則といって民法の基本原則として勉強するワードです。),
契約の種類は本当に多種多様です。インターネットが普及してからは,加速度的に色々な契約類型ができている気がします。
債権の発生原因は4つと言っても,そのうちの1つである契約が
極めて多種多様であるため,色々小難しいわけですね。
実際の弁護士業務でも,
この契約によって,当事者はどんな権利を得て,
どんな義務を負うのだろうかということを考えたりします。

次いで,先ほどの打ち込み事故でも出てきましたが,
不法行為です。
相手自身や相手の物を傷つけたりすると,
これを賠償せいというのが不法行為で,
打ち込み事故のほか,交通事故なんかが典型的です。

契約が合意によるものですから,
基本的に契約締結前に何らか社会的接触を前提とします。
コンビニだとその接触はだいぶ薄いですが,
保険契約や家を借りますなんて場合には,
契約前に色々と説明を受けたりだなんだとありますよね。
これに対し,不法行為は,社会的接触を前提とせず,
法益侵害行為があれば発生します。
先ほどの打ち込み事故でも言ったとおり,
知り合いだろうが知らない人だろうが,
打ち込まれて怪我したら発生するんですね。
要するに合意があろうがなかろうが発生します。
詳細は割愛しますが,合意がなくても発生するぜという点では,
不当利得や事務管理も同じです。

このように,契約は,約束して発生するので「約定債権」,
その他の不法行為等を民法が定めた債権という意味で,
「法定債権」と呼んで講学上区別します。

だからなんだと言われたらそれまでなんですが,
ここまでの話をまとめると,
民法は,世の中を権利と義務という観点から見ていくもので,
権利と義務,つまり債権債務の発生原因は,
約定債権である契約と,
法定債権である事務管理,不当利得及び不法行為の4つしかない。
ということになります。

久々の投稿でしたし,
最近法律系の投稿してなかったので,
とりあえず半ば強引に民法の基本的なことをお話してみました。
なんだか少しだけ,意外と民法って簡単かも?
と思ってもらえたら上出来ですが,
いかがだったでしょうか。

それはそうと
アプローチってどうやって練習したらいいんでしょうか。
誰か練習方法を教えてください。

 令和5年11月吉日

                弁護士 小見山 岳

お久しぶりです,事務長の越智です。

定期的に更新するぜ!と意気込んで,
気がつけば約8ヶ月ぶりの更新となってしまいました(´ε`;)

  

  

この度なんと,
当事務所のお手洗いとキッチンがリニューアルされました!
わ~~パチパチパチ(拍手)
いきなりですがビフォーアフターをどうぞ♪
  

before
【お食事中の方,気分の優れない方はこれより下は
スクロールされないことを強くおすすめします】

 
  
注意喚起しましたよ,しましたからねっ!?
    
  

この床。本当に悩ましかった。 
 
拭いても拭いても汚れる魔法の床です。
年末の大掃除には小見山先生がシンデレラと化して
念入りにお掃除してくださるのですが,
すぐに汚れてしまいます(=_=)

  

 
after
   
 

クッションフロアの張り替え,
 壁紙の張り替え,
 食器棚の新調を行いました。
ボスに一任していただいたので,完全に私好みに仕上がりました!

綺麗になると気分もアゲアゲです!
無駄に出たり入ったりしてます。
  
毎日お掃除頑張ります!
(もちろん年末はシンデレラ小見山に託します♪) 
    

 
 

話は変わりますが,
(H/Kでピンときた方は同世代です。笑)
 
娘(3歳)が通う幼稚園では,四季折々の様々なイベントを企画してくださります。  
夏にはお祭りやプールに入って遊んだり,
冬には折り紙でツリーやサンタさんを作成したり♪
先日の七夕の日には,短冊にお願いごとを書いてデコレーションをしたようです
(3歳児はまだ字が書けないので,先生が本人のお願いごとを聞いて代筆してくれました。)
 
 
 
お友達の短冊を見せてもらったところ, 

・どうぶつえんにいきたい!
・プリンセスになりたい!
・ぱぱとままとたくさんあそびたい!
などなど,可愛らしいお願いごとがたくさん並んでいました。
  
 

さてさて。我が子のお願いごとは何だろう??(o^^o)
 

お友達と同じくプリンセスになりたいとかかな?
そういえば最近ディズニーランド行きたがってたなぁ。

 
 

・・・ん?( ̄・ω・ ̄)
 

 

 
 
 

以上,近況報告ブログでした。
次回は・・・次回あるかな?
 
 

それではまたお会いしましょう,事務長の越智でした。

平素は格別のお引き立てを賜り,厚く御礼申し上げます。

さて,誠に勝手ながら,当事務所は

令和5年8月14日(月曜日)から同年8月16日(水曜日)まで
夏季休業とさせていただきます。
  

恐れ入りますが,当事務所に御用の方は令和5年8月17日(木曜日)以降にご連絡ください。

ご迷惑をおかけしますが,よろしくお願いいたします。  

こんにちは。
税理士の越智満です。

再びインボイス制度の細かな手続部分を次回に…
と前回の独り言を締めていたので,再びインボイス制度の手続部分のお話ですが,
かなり久しぶりの【独り言】でして・・・
その間にインボイス制度に関する改正が入ったので,
今回は,
1 改正点について
2 自動引落の場合はどうなるのか
3 登録事業者の確認はどうなっているのか
をみていきます。

1 改正点について
改正点のなかから影響が大きそうな2点を抽出してみました。

改正① <小規模事業者の2割特例>
この改正は
「インボイスの登録をしなければ免税事業者だったのに・・・」という事業者の方が対象で,
「本来免税なんだったら,預った消費税の2割を納めたら良いよ」という改正です。

預った消費税の何割を納めるというと,
簡易課税制度がありますが,
簡易課税制度とは異なり,
事前に特例を使う旨の申請は不要で,
申告の際に特例を使うことを記すだけなので使いやすいですし,
卸売業・小売業以外であれば,
納税額が簡易課税制度より低くなるので,
対象の方は検討必須です。

ただし,この特例は令和8年9月30日を含む課税期間(計算期間)までしか使えないので,
個人事業の方であれば令和8年までの特例ということになります。
その後は,原則的な納税方法か簡易課税制度を選択することとなります。

簡単にいうとこんな感じですが,
国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問111に詳細があります。

改正② <登録申請時期の変更>
インボイス制度スタートまでに番号をもらうためには,
令和5年3月31日までに申請するよう国税局から通知がなされていたのですが,
令和5年9月30日までに申請すれば,
登録日に関係なく,インボイス制度スタートから適格請求書発行事業者になれることになりました。

「ギリギリまで悩んで申請しても大丈夫ですよ」といったところでしょうか。

ただ,ギリギリに登録申請をした場合,
申請から登録日までは1ヶ月半以上かかるので,
登録されるまでは適格請求書でない請求書を発行し,
登録された後に遡って適格請求書を発行するという二度手間が発生しますし,
取引先も混乱すると思いますので,
あんまり推奨できないですね。
遅くても,お盆頃までにはどうするか決めておきたいところだと思います。

登録申請時期については,
国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問7に詳細があります。

2 自動引落の場合はどうなるのか
駐車場や事務所の家賃など,
一度契約をすると後は口座からの自動引落しで領収書がない支払いがあると思います。

「大家さん大変です!毎月インボイスを発行しなければいけません!」
となると大変なので,
契約書に請求書や領収書に記載しなければいけない事項を表示しておけば,
今までどおりの取扱いで大丈夫となっています。

具体的には,
・賃料のところに消費税率と消費税額を表示しておく
・事業者の氏名または名称の下に登録番号を表示しておく
追加はおそらくこの2点ですが,
事前に税務署又は税理士に確認しておいた方が安心かもしれません。

なお,
「契約書だけならいつ支払ったかがわからないのでは?」
という疑問が残るのですが,
適格請求書は「複数の書類を併せて必要事項の記載があれば良い」ともなっているので,
今回は,契約書と引落口座の通帳を併せて保存していれば大丈夫となります。
なんともややこしい・・・

※ 注意点
駐車場の賃貸の場合,
大家さんが免税事業者ということがあると思います。
この場合,
大家さんは適格請求書発行事業者の登録をしなければ,
インボイスの発行はできませんのでご注意ください。

簡単にいうとこんな感じですが,
国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問93に詳細があります。

3 登録事業者の確認はどうなっているのか
「支払先がインボイスの登録をしているか分からないので,
国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで検索してみよう!」
と思っても,
登録番号が分からないと検索できない仕組みになっています。

支払先が個人事業の方であれば,
番号を知らせてもらわないと分からない。
支払先が法人であれば,
国税庁の法人番号公表サイトから法人番号を確認して,
登録番号検索ができますがちょっと手間がかかる。
と,こんな状況です。

なので,
登録番号を取得した場合は,
売上先にお知らせした方がよいとされています。

お知らせの方法は自由ですが,
文書を作って郵送手配するのは地味に大変ですので,
令和5年10月1日より前から,
請求書や領収書に登録番号を書いておくという方法が一番簡単だと思います。
いずれ請求書や領収書に登録番号を付け加える必要があるので,
先にやっておこうという感じです。

登録番号はインボイス制度開始前から記載していても全く問題ありませんので,
既に請求書に登録番号を記載されている事業者の方もいらっしゃいます。
お手元の請求書や領収書に「T××××××××××××」と書いていないか,
探してみてください。

登録番号の記載時期については
国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問74に詳細があります。

  
今回もまた長くなってしまいました・・・

この度の改正点については,
免税事業者への負担を少し軽減する内容ですが,
令和4年12月にほぼ内容が決まっていたので
国としては「登録者数を増やして予定どおりスタートしたい」という考えなんだろうなと感じました。
その影響もあってか,
令和5年3月末時点で課税事業者の9割は登録申請が完了しているそうです。
  

※ いずれも令和5年5月時点の取扱いとしてご覧ください。

お世話になっております,弁護士の小見山です。

3月の投稿から気がつけば4月が過ぎ,
もうすぐ5月も過ぎようとしております。
最近更新がないというお声もいただきましたが,
話のネタを考える間もなかったので,
今日は,徒然なるままに思ったことを垂れ流してみますので,
お時間のある方はお付き合いください。

小職は昭和62年の今頃にこの世に生を受けたのですが,
概ね自分の誕生日を過ぎる頃に梅雨がやって来て,
梅雨が終わったと思ったら暑くなって夏が顔を出してくる
というイメージでしたが,
今年は誕生日と梅雨が来る前から夏が顔を出してきやがります。
暑いのと寒いのどっちが好きですか,あるいは夏と冬のどっちが好きですか。
というよくある下らない質問がありますが,
小職はどちらも苦手です。
そりゃ春か秋のような過ごしやすい日が好きです。
ただ,暖かくなると魚がよく釣れますし,
冬のキャンプは人も虫も少なくるので,
夏も冬も苦手なりに好きです。
上記のように答えると会話になりませんし,
十中八九天邪鬼と言われるので,
大抵はその時の気分でどちらかを選択して答えますが,
どっちが好きかといった
二者択一的な質問自体があまり好きではありません。
選ぶのが苦手なのかもしれません。

小職の血液型はB型なのですが,
B型はよく我が儘とかマイペースと言われるので,
あまり血液型診断は好きではありませんが,
ついつい●型っぽいなぁとか考えがちですよね。
人類をたった4類型に分けて性格を論じるというのは,
いかがなものなのかとすら思いますが,
自分の性格が割と我が儘でマイペースなので,
強くは言えないところですし,
何となくAB型はレア感があって憧れます。
ステレオタイプに分類されるのが好きじゃないのか,
B型のイメージが良くないことが多いから好きじゃないのかは分かりませんが,
何となく類型化されるのは好きじゃありません。

本当に徒然なるままに話していますが,
こうしてみると,
世の中色々と二者択一的というか白黒はっきり付けたがるというか,
何かと分類することが多いなぁと思います。

分類といえば,
昔何かの本で読んだか,父に聞いたか忘れましたが,
「科学」というのは,分類することだと聞いたことがあります。
「科」という漢字自体がそういう意味があるようですね。
例えば,「猿」とGoogleで検索すると,
哺乳類霊長目のだとかやたら詳細な分類がされています。
「水」といっても「雨」や「霧」,「氷」,「水蒸気」と
色々とありますし,そもそも「水素」と「酸素」の化合物です。

ちなみに自然科学以外にも社会科学である法律学も分類大好きです。
民法のパンデクテン方式なんかは正に分類の権化みたいなものです。
パンデクテン方式というのは,
法律の構成において,共通する事項は共通項として定める方式のことです。
例えば,民法は,「総則」,「物権」,「債権」,「親族」,「相続」の五編に分かれており,
この「総則」というところに他の四編に共通する事項が定めてあり,
更に「債権」は,「総則」,「契約」,「事務管理」,「不当利得」,「不法行為」の
五章に分かれており,やはり「総則」が他の四章に共通する事項が定められています。
要するに法律内をフォルダ分けしているわけですね。

科学とは少し違うかもしれませんが,
絵画のモナリザが画期的なのは,顔の輪郭線がないことだと聞いたことがあります。
確かに似顔絵なんかを描くときや,漫画のキャラクターなんかは,
顔を輪郭線で表現することにより背景や首などの他の部位と顔を区別しています。
モナリザはこれを色と影によって表現しているというわけらしいです。
輪郭線なのか,色と影かの違いはありますが,
いずれにしても表現の対象物をそれ以外と区別しないと,
人はその対象物を明確に認識することはできないんですね。

そうすると,
分類することで人はその対象を認識することできる,
あるいは分類することができなければ対象を認識し難い
のかもしれません。

科学と宗教はよく対比されますが,
宗教のイメージとしては,
崇拝の対象が何らかの超越した存在,
いわゆる「神」を崇拝の対象としていることが多いような気がします。
小職自身は特定の宗教に入信はしていませんが,
人が見ていないところで悪いことをすればバチが当たるとか
お天道様は見ているとか思いますし,
死んだら天国か極楽浄土かは別にしてあの世に行くんだなぁとかは思うので,
無自覚に何らかの信仰はあるんだと思います。
目に見えない何だか大きな力というか,作用のようなものはありそう
という程度には神様的な存在はいるかもなとは思っています。
仮に,これを神様という呼ぶのであれば,
その存在は決して認識できないものですから,
分類して認識しようという科学とは相容れないところがあるのかもしれません。
幽霊なんかも認識できない存在ですから,
「非」科学的な存在と言われてしまうんでしょう。

とまぁここまで色々と話してみましたが,
やはり話す内容を決めていなかったので,
何だかふわふわした感じになってしまいました。
「これを話そう」と決めることは,
他面で「それ以外は話さない」と決めることみたいです。
「それ以外は話さない」と言ったのにそれ以外の話をすることを
「話が脱線した」というので,
今回みたいに何も話すことを決めていないと,
話の脱線すらできないんだなぁということを実感しております。

たっぷりと読者の皆様の時間を浪費したところですが,
あまり小職は気にならないので,
やはり小職は典型的なB型なのでしょう。

さて,仕事しますか。笑

  令和5年5月吉日

              弁護士 小見山 岳